伝統の継承、伝承に関する私感
「伝統を守る」ためには、新しいことにチャレンジし現代にマッチした改革や、時には破壊することも必要云々ということを耳にすることがあります。 しかしながら、居合道に入門した当時から、伝統を守るためには、古来伝承の技を決して改変してはならないと言われて育ってきました。...
稽古(外形と実質)
外形と実質は表裏一体であり、外形は実質の現われであるとも言える。 先ずは、流派の掟としての外形を整えてから、その中身である実質を高めていくのが稽古の手順であり、その逆に理がないことは分かると思う。 外形という器が無ければ、その中身を満たしていくこは出来ないからである。稽古に...
「古い技」という言い方
昔日、「技が古い」という言葉を聞いて、居合は古武道なのだから、古いのは当たり前ではないかと思ったことがあった。 確かに、古武道を学ぶにあたっては、過去に遡って行くのが正しい態度であり、原点に向かって歩みを進めるべきである。それが古武道修業における進歩である。...
入口は無数でも出口がなかなか見つからないのが居合の道
標題の言葉は、かつて先師から伺ったフレーズである。探求には際限がないということか。 何故そうなったかは後に述べるが、常に憧れて来た21代福井宗家の技前を正統正流と明確に思い定めたのは、平成22年に居合道修塾を創立したときからである。...
胴斬りと腰車
胴は、胸部と腰部の間に位置し、腕を下げた状態では肩と肘の中程(二の腕の中間辺り)と教わってきた。 腰の位置は肋骨と腰骨の中間にあるくぼみ辺りというのが一般的であり、居合でいう腰車とは、その部分を輪切りにすることである。 全日本居合道刀法の四方切および番外の速浪、雷電における...