日進月歩
私は、伝承された技を少しも改変せずに守り続けたいと考えておりますが、十年一日の如くに一所に止まるのではなく、守るためには進歩向上のための変化がなくてはならないと思います。 ここで言う変化とは、技を改変するという意味ではなく、自分の技の進歩に伴って変化するということです。...
武技と人間技
居合道では、人間の自然な身体機能に任せるのではなく、先人が編み出した武技に自分の身体の方を合わせていくものです。 技を体力や身体能力や個性に合わせる、いわゆる人間技では、たとえ上手でも正確に技を伝え残すことは出来ません。...
神前の礼
礼をする対象からして、神社の神官の所作に習うべきものと思います。 礼をするときには、峰部に人差し指を真っすぐにして添え、刀を45°に傾けて腿の側面に手を付けます(礼の終始にわたって、手はその場に固定したままとし、上下に移動させないこと)。...
足裏について
裸足、足袋とも、場の条件に左右されないためには、擦らず、摺らずに床と紙一重で運ぶのが適します。 その時の足裏の部位は、足先よりも足首に近いところを主体とする方が、合理的な移動が出来ます。 足裏は居合技の基礎となるので、固定観念にとらわれず、工夫する価値はありそうです。会水
抜付け・打下し
各動作の無駄を極力省き、動作を機敏にして隙を作らないようにし、特に抜付け・打下ろしについては、切っ先の滞空時間が長くならないように、出来るだけ最短距離で運ぶよう色々工夫すれば、切っ先の軌道が徐々に短くなり、敵に速く到達するようになる。会水
伝える方法について伝えたい事
一、正しい技を習得してもらうために、丁寧に正しく伝える。 技の意義、そうする理由まで理解してもらう。 二、それらが、その人個人に止まらず、自分が得たことを次の人へ伝える方法も伝える。 これを代々繰り返すことが大切であることを伝える。...
節目(ふしめ)
節目を感じることは、あくまでも個人的なことですが、たとえば、居合の場合は、稽古を再開した時、昇段した時などが節目となります。 居合に限らず、自分の心境変化に気づいたときが、節目だと思います。 拙い経験ながら、いままで、節目の都度に初心に帰ることを居合の稽古のコツにしてきまし...
号令について
(演武の場への出入)「位置に着け」※入場は用いない。「退場」 (演武の場での立ち座り)「着座」「起立」 (刀の抜き差し)「帯刀」「刀をはずせ」※刀を外すとき、外刀(げとう)という言葉は福井宗家も用いたことはなく、恩師からは品もないから用いるなと習った。...
第二回昇段審査会を終えて
本日、2名が受審し、それぞれ5段、6段へ昇段しました。 もちろん、審査は正統正流の正しい技を基準に行いましたが、二人がそれに沿っていたことを誇らしく思いました。 普段から、言うことなすこと、同じことの繰り返しの地味な稽古にもかかわらず、飽きずやってくれていることはありがたい...
切っ先の深さについて
面部から真下への切下し、袈裟切り、横一文字、切上げのいずれの場合も切っ先が深すぎないように切る。 切っ先を深部に通すと刀勢にも影響がするので、結果的に切っ先の深・浅が生ずることはあるが、通常は切っ先三寸より先が用いられる。...