「受け流し」の要点(正座6本目の技)
45度方向に左足を踏み出し、左足はそのまま動かさず、立ち上がりつつ、右膝の真横に右足を運びます。その際、左右の足の間隔は肩幅程とし、ちょうどカタカナのハの字が逆さまになったように踏みます。 「受け」と「流し」は一連の動作として行いますが、受ける瞬間の右拳は肩の上方に在ります...
継承について
何事も精神面と技術面が相まってこその継承で、心持の正しさがあって、初めて正しい技となると思います。 伝統工芸品も正しい技法の継承があって成るように、武術も流派の掟を疎かにしては確かな技を残していけません。 しかしながら、その前提として、技に精通していなければ、いくらジタバタ...
技は体裁でやるものではない
技は技術の向上に伴って日々変化して行くものですが、技の本質は年齢や個性によって変えてはいけないものです。 それは、年齢や個性に応じてアレンジしたり、取り繕うことをせずに、本来の技から逃れずに、あくまでも本質を目指すべきであるということです。...
伝統
我が修塾を始めた目的は「わが国の歴史と伝統を尊重し、正正と技を修練し、正しく次代につなげる」というものでした。 そのためには、少数精鋭も悪くはないということを常々発言してまいりました。 伝統を保持するためには、裾野を広くすることが必要だと、よくいわれますが、裾野が広まっても...
姿・形・動作をなぞる
奥深くに潜んでいるかのような技の本質は案外、表面にも姿・形・動作として現れているものです。 姿・形・動作をなぞることで、技の本質を窺い知ることが出来そうですから、やってみる価値はあります。 また、技の本質を見ることは、表出した本質を見ることであると思っております。...
後足について
二歩幅が体勢の基礎となりますが、さらに、正対でも半身でも、後足の膝は屈せずに十分に伸ばし、大腿部と共に締めることが大切です。 膝が弛むと体勢不十分となり、物打ちが弱くなります。 その際、正対のときの踵(かかと)は、床から2~3寸程離し、半身のときは踵(かかと)は床から離しま...
緩急
一本調子な技にならないように動作には、メリハリをつけることが大切です。 そのためには、複数の動作を一度にまとめないで、一節毎に区切りをつけて行います。技と技のつなぎは滑らかにしつつ、動作を引き締めるということです。 そうしていると、自ずと気が発して、動作に緩急がもたらされま...
血ぶりについて
昨日の稽古時に、石村さんから河野百錬先生の血ぶりについての下記見解が紹介されました。 「実戦の経験上血は刀に殆んど附着せぬものなり。されど形として養心残心に重きを置きて、かく仕組みしもの也」。河野百錬 血ぶりの動作で本当に血を振るい落とせるのか、血ぶり後に直ぐに納刀出来るも...
稽古の仕方
他のスポーツの経験者が、居合の稽古をするときには、その経験を身心ともに一旦リセットします。 その経験は身体的能力としてはプラスに働く面はありますが、その経験の上に乗せるのではなく、ゼロの状態から始めた方がスムーズです。 稽古は、とにかく、流派の掟に従順になり、まず、手順と形...
再開2回目の稽古に臨んで
他人のことが上手く見えることはよくあることです。 上手なのは確かなのですが、自分の方が低下したため、相対的に上手く見せられる場合もあります。 そこには、誰の指摘も受けないうちに、以前出来ていたことが気づかぬ間に徐々に劣化していたり、当時獲得した概念の本来の意義にズレが生じて...