伝承するべきもの
感性や感覚は、その場、その時の個人の印象に過ぎないものなので、伝承するべきものは、感覚的な観念ではなく具象化されたものであると思います。
その際、元の教えに対するある程度の説明は必要になりますが、極力、私意を入れないようにしたいものです。
元々の教えを飛ばして、その教えの解釈のみを伝えたのでは、元も子もなくなってしまいます。
笑い話のように聞こえるかも知れませんが、解釈の説明のみになっていることは少なくありません。※このことは、自戒を込めて、そもそも元々の技(形)の理解が足りないことことに起因するのかも知れません。
その様では、技の根源から逸脱して、自分の感覚に頼った枝葉末節を追うことになり、墜落の道をたどり、やがては技を改変につながります。これについては、正統第20代河野宗家訓でも強く戒められているところです。
ただし、技の進歩による変化と技の改変とを混同しないように銘記しなければなりません。
武術における進歩は、根源に向かうものであり、改変は根源から遠ざかる行いだからです。
百年一日の様のままでは、先細ってしまいます。会水
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