品格ということ
「品格」という言葉は居合道でもよく言われますが、その定義は一言では説明しにくいものです。
まず、「品(ひん)」という言葉は、「恩(おん)」や「分(ぶん)」とともに、日本語特有の思想であり、その根源は日本の皇室の品位、品格にあります。
昔は、諸芸で初段になると、その技が一定の品格に入ることから「入品」といわれました。以前に「段位について」の記事でも述べましたが、初段の審査基準が大切な理由はここにもあります。「入品」は意味深い言葉だと思います。
思うに、技(技術)と心(品格)は分離したものでなく、一体のものです。そして、品格は無想の中にのみ存在するものですから、日頃から雑念を払った稽古を心掛けることが大事です。
居合道では、気勢気迫のない技は死物といわれますが、品位品格を欠いた技は、紛い物になってしまいます。会水