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無双直伝英信流歎異録(河野百錬著)②

今回は、第二節「抜き付けの事」を謹んで引用させていただきます。


『二、抜き付けの事

居合の生命とする所は最初の抜き付けであることは云う迄もない、にも不拘、刀を鞘から抜き出してしまってから斬付ける人を見受けるが、之は無意味で、どこ迄も鯉口の放れ際はの一瞬に斬りつけねばならぬ。

又た抜付けた刀が、目的に向かって最も適切に且つ最も有効に働ひて居るか否やを、自分自身がハッキリとつかむ事が肝要である。』


居合を学ぶ者は、至極当然のこととして、幾度もこの教えを耳にしたことでしょうが、大方は他人事として聞き、自覚されているとお見受けする事は実に稀であります。


河野宗家も仰せの通り、鞘放れは居合の生命線であり、最も重要かつ難しい術ですから、河野先生から直に自分に向けられたお言葉として自戒しなければならないと思います。2023.2.12会水

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