「見る目」の変化
自分達の尺に合わない技は全く受け付けられず異質に見えた時期もあったが、独立して広く外を見るようになり見方も変わってきた。 自己の基準に合わないものは、正しくないという傲慢さがあったかもしれない。そういう態度は、反作用で他からも同じような目で見られることになる。...
溌剌とした技
少しくらい力みがあろうとも溌剌とした技は見ていて小気味よい。 生き生きとした目で前方を見据えて、気持ちを前面に出して切りつける技には見ごたえを感じる。 たとえ力が入り過ぎていても、それは気持ちがこもっている証拠であり、それも緩急の一つだと思うくらいでよいと思う。...
着座
直立不動の姿勢から膝を左右に開き、袴の裾を手のひらで左右に捌き、左膝、右膝の順に床に着ける。座した時、左右の膝の間隔は先端部で概ね固めの二握りとなる。2021.11.6会水
納刀
鯉口を握り、手首を用いず鍔元五寸の峰部を人差指と親指の交点に直接運び、右手を右斜め方向に低く運び、刀を平らにして切っ先三寸を素早く納め、その後は徐々に納め、鍔元五寸は静かにゆっくり納める。納刀し終えときは刀が平らになるようにする。2021.11.6会水
テンポの速さ
敵を意識せずに自分勝手にやったでは、間合いも間も無くなってしまう。 長く経験を重ね、居合に慣れてくると落ち着き払ったような間延びした動作になってしまう人が多い。 技をただ形通りにやるのではなく、素早く敵に迫り、間を詰める意識でやることが大切である。実戦では必然的にそうなる。...
気剣体一致
物体である体は常に振動し静止していない。 固体である剣も振動し、気も同様である。 剣は体の一部である手に操られ、体は気が動かすと思われているが、それぞれ独立して勝手に動いている限り一致することはない。 三つが一つになったとき、振動は穏やかに静止し、気剣体が一致する。...
不動の姿勢
先ず、両方の踵(かかと)を付けて立ち、背筋を上に伸ばし、少しも動じることのない「直立不動」(ちょくりつふどう)の姿勢を取り、技は常にこの姿勢から始める。また、全般にわたり不動の姿勢を保つ心持で臨むことが肝要となる。「直立不動」という言葉を21代宗家はよく用いられていた。20...
正座一本目前(21代宗家)
(目付)座したる時の目付は、前方約十尺とし、一定の場所に固定しない。 (抜きかけ)刀は外に四十五度傾け柄頭で敵の中心を攻める心持で剣先三寸位まで徐々に抜く。 (抜き付け)物打ちより剣先を一気に抜き出す。 (振り冠り)剣先部は腰より約一尺五寸まで冠る。...
継承
「見た目の形、聞こえる言葉や書かれた文書」を糸口に探究し、実地を通して本質を察して行くことが方法の一つ。2021/9/14会水
武技について
先人が実利のなかで築いてきた武技を現代的に置き換えようとすると、その本質が失われてしまう。 スポーツのように身体的能力の向上を目指して工夫されるならそれはよいと思うが、それでは武技の目的から離れてしまう。 武技の鍛錬の眼目は運動能力ではなく対敵であるから、昨今のように競技と...