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正しく継承するための伝え方


一、先ずは外形から入るべきである

 

 体ならしや刀になじませるために素振りや足さばきから教える向きもあるようだが、何も分からない初心者にそれをすれば自分勝手なやり方になってしまいむしろ後々の弊害となる。初っ端から悪癖をつけさせるようなものである。

 

 ぎこちなくとも形から入るのが常道である。指導の手順を間違えてしまうと、正しい技を身に着けることが出来ず後々当人に苦労をかけることとなる。

 そこから抜け出すためには、一からやり直すのが近道である。

 

二、形から入るとは

 

 元々、優れた居合技は、人間の自然な身体能力に従う所謂人間技ではなく武技である。武技とは先人が命がけで編み出したものであり、人間の自然な身体操作に任せたものではない。つまり、無理のない人体の合理性を活かす運用ではなく、武技として独特な身体操作を身に着けるべく培われれるものである。それが形として遺されているものである。

 したがって、稽古の要諦は、その形を鋳型として用い、無理やりにでもそれに当てはめるべきである。

 

三、指導時における形とは

 

 大雑把には、先ず、二歩幅といわれる適正な足幅である。二番目には姿勢であり、それが適正であれば運剣もよくなる。三番目には、敵を見据える目付であり、足幅と姿勢と一体のものである。

 そして大切なことは、指導時には先人から教わった言葉はをそのまま用いることである。決して自分の言葉に置き換えてはならない。言葉には先人の魂が宿っているからである。

 

(言葉の例としては)打ち下ろした時、鍔は膝の線、拳は膝の高さ。横地振りも同様に鍔は膝の線、拳は膝の高さ、布を割くように血振る。横一文字の際、鍔は前膝の線、切っ先は床から8寸。大血振りの切っ先は右足先から前方に60センチ、右に30センチ、その時の右拳は両ひざを結ぶ線、腰の高さ。

四方刀等で後敵を突くときは鍔は乳の位置、水月の高さ。振りかぶりの際、拳は頭上に向かう斜辺を通る。後足のかかとの高さは床から三寸。等々はほんの一例である。枝葉末節にとらわれず、正しい理合に基づいて先ずは外形を整えることから始めることが大切である。2025.1.4会水

 

 

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