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合理的な技を目指して

居合道において「正・速・強・威」とは、修業の段階を表したものといわれますが。対敵の面から考えると、技の合理的な有効性を網羅しているように思います。

形式に固執し過ぎた技には、敵(仮想敵)が見えず、「速・強・威」が欠落しており誠に残念に思うことがあります。

「正」とは、詰まるところ正しい形のことですが、最終的な形が正しくなるためには、そこに至る過程のどの場面にも正しい形があるはずです。

例えば、横一文字の切りつけでは、剣先が鯉口を放れる瞬間から敵の肩口~胸部を通過し、剣先が止まるまでの全ての軌跡が大切です。「正」とは正しい軌跡とも言え、それは「速」から「強」まで途切れなく連なっています。

そして、鞘離れの一瞬を生命線とする我々の居合道では、鯉口を放れた剣先を最短距離で敵に到達させるというようなことが技の合理性だと私は考えております。

居合道の源流である「無双直伝英信流」を学ぶ立場のものとしては、うわべの形を繕うのではなく、本質を見極めた常に対敵を意識した技を稽古したいものです。会水

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