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継承について

何事も精神面と技術面が相まってこその継承で、心持の正しさがあって、初めて正しい技となると思います。

伝統工芸品も正しい技法の継承があって成るように、武術も流派の掟を疎かにしては確かな技を残していけません。

しかしながら、その前提として、技に精通していなければ、いくらジタバタしても、そもそも継承するべき対象は存在しないことになります。

そためには緻密な研究を要し、稽古においては、少しも妥協せず、少々窮屈かも知れませんが、自分自身の身心を鋳型にはめ込むようなこともあり得ます。

純粋な継承は、そうそう容易ではなく、そこに個性というものは介在出来ないのかも知れません。

そうして技を真似て行くためには、継承すべき技の本質・深部まで見抜いていなければならず、相当な眼力が求められます。軽々な理解では到底及ばないと思います。

自分自身が、どこまで継承出来るかも分からぬままに、それを稽古の眼目としおりますが、近頃では継承という言葉に畏怖の念さえ感じるようになりました。

そのためか、その言葉を用いるとしたら、今では「継承に努めるんだ」と心中で唱えることくらいで、きっと現世では「継承した」と言える日は小生には来そうにありません。会水

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