宗家訓考
昔、それは大会プログラムにも載っており、皆で唱和したこともありました。
今でも私は、稽古場にそれを掲示するなどして、自分自身の戒めにしております。
それは、福井虎雄先生が河野百錬先生に入門を許された時に授かり、肌身離さず大切にされていたそうです。
私は古武道を学ぶ一人の者として、それ以上の訓えはないと思っております。
いくら励んだとしても、それから外れた稽古は空しい。
たとえ人々の記憶が薄れ、万人に忘れられたとしても、自分だけは生涯の訓えにします。
兎にも角にも、先師の教えを蔑ろにしてはいけないのです。2024.9.8会水
「宗家訓」
当流の居合を学ばんとする者は、古来より伝承せられ以って今日
に及ぶ当流の形に聊かも私見を加うることなく、先師の遺された形
を毫末も改変することなく、正しく後人に伝うるの強き信念を以っ
て練磨せられんことを切望する。
剣は心なり、心正しければ剣正し。
心正からざれば、剣又正しからず。
剣を学ばんとする者は技の末を追わずその根源を糺し、技により
己が心を治め以って心の円成を期すべきである。
居合道は終生不退、全霊傾注の心術たるを心せよ。
(江坂静厳著 無双直伝英信流居合道入門 224ページ)
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