八重垣における脛囲い
血振いより納刀しつつ左足を退き中腰(腰を落とさぬこと)となり、右足と交差する所より抜きかけ左足を後方にサッと退き、腰を左に捻りて右半身となるや抜刀して脛を囲い、右脛に薙ぎ来る敵刀を受け留める。
1.納刀の起動の時、剣先を右に戻さぬこと。
2.受け留めた時の拳は、膝の線ぐらいとして、左足先は正面に対し、四十五度ぐらいとして、足を伸ばし、前膝は脛が垂直になるまで屈め後足にて押し、体は乗り出す心持肝要なり。(此の場合、右足の内側の線上に左足踵がある如くすること)
3.刀刃は前に向け刀の表鎬にて受ける。
4.脛を囲う我が刀は、単に敵刀を受け留むるの意にあらず。あくまで敵刀を強く拂いて功を奏ぜざらしむるの意なり。
以上、無双直伝英信流居合道第一巻 福井虎雄著(昭和57年11月1日発行)より
下線は山崎が引いたものです。2023.1.30会水
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