差異・目標
目標に達する方法は一つではないし、性格等によってアプローチも色々で個性もある。
剣理が違う流派からの転入でも、目指すものが変わるという自覚で臨めば、経験が役立つ。
同じく、他道場からの転入の場合も、新たな環境で心機一転という気持ちでやれば、これまでの経験は生きる。
技前は、ある意味、差異に触れることによって触発される面があるから、進歩の足掛かりにもなり得る。
転じて、技前には道場毎の独自性は否めないから、道場間の差異が特色となり味わいとなっている。
そのような事情からも、共通化を企てたり、あえて統一しようとすることは、素晴らしい個性までが失われ、もったいない気がする。
また、必ずしも普及は良い事ばかりでなく、一律化による質的低下や、折角の伝統ある見事な技が平準化してしまう恐れがある。
それでは元も子もなく、特色としての差異がなくなり、表面的で無意味な好き勝手なもののみが残ることになる。
たとえ同じことを唱えていてもその捉え方次第で様相が異なってしまうことすらあるのだから、はじめから目指すものが異なるもの同士を、無理やりひとつにまとめようとはしない方がよい。
目標は観念的ではなく具体的にすべきである。2021.12.2会水
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