納刀にまつわる教え
入門当時の稽古で、「納刀は抜刀の逆順である」「刀は腹に納める」「残心をもって納める」という言葉をよく耳にしました。
そのころは、恥ずかしながら右の耳から入って左耳に抜けてしまうというありさまでした。
遅ればせながら、今に至ってそれらの教えは精神的な観念ではなく、目に見える姿として外形として表れていることがわかりました。
残心をもって刀を腹に納めるといわれても、ぴんと来ないでしょうし、抜刀の逆順や残心と聞いても、序破急とか鍔元五寸からゆっくりと納めるなどにしか思い至らないのではないでしょうか。
しかしながら、優れた先師の教えは、動作や手順にも表れているということを、納刀に限らず、ここにお伝えしたいと思います。
継承伝承の面からも、また実戦的にも、言葉による教えには重みがありますので、一言一言をかみしめて行きたいものです。2022.10.26会水
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