技の研究について
技の研究について
弊道場は、古来伝承されてきた無双直伝英信流の正統正流の技を標榜し、その細部まで追求することに特化しております。
標題の技を研究について、一人で追える範囲には限りがあるので、研究対象を絞ることで深堀することが可能になりますから、一所懸命(一生懸命では意味が通じません)がそのコツだと思います。
その意味では、我が道場は主に一人の先師に的を定めておりますので散漫にならず、通常以上の技の精度を目指しやすいと思います。
その際、細部に注意を払うことが大切になりますが、しかしながら、やっぱり私としては、全体的なフォームから整えることが先決です。ここから、個々と全体という話につなげます。
個々は全体の中に含まれた一部分ですから、全体のどこ切り取っても全体と同質の個々が現れ、逆に個々のなかには必然的に同質の全体が宿っております。見る角度を変えてもそれに変わりはありません。
具体的に技で言うと、個々の断片的な形・動作を追求すれば、それは技全体に波及しますし、逆にフォームとも言える全体像としての姿・形をすっかり模写できれば個々の技術の細部も達成できるはずです。
したがって、個々の形からでも全体の形からでも帰着点は同じなのですが、私がフォームを整えるという全体の形から入ることを優先しているのは、自分がそのように指導されてきたのと、もう一つは全体の方が、居合の世界に接する表面積が広く、空気になじみやすそうな気がするからです。
これらが、「見た目の形や諸動作の細部」に執拗に固執する理由です。会水
(付記)技の観察時に自他の差異を見ることも助けになります。また、他とのコントラストを経験することによって、気づきが得られることも多々あるので、時には交流することも必要です。
最近、「むずかしすぎる まちがいさがし」(ワニブックス)に挑戦しましたが、場合によっては、それくらいの気持ちで技見ることも観察眼を養う訓練になります。