宗家訓
(宗家訓) 「当流の居合を学ばんとする者は、古来より伝承せられ、 以って今日に及ぶ当流の形に聊かも私見を加うることなく、 先師の残された形を毫末も改変することなく、正しく後人に伝うるの 強き信念を以って錬磨せられんことを切望する。 剣は心なり。心正しければ剣正し。...
新しい展開
居合技の稽古は芸術作品を作るのと違って、一つ一つ弛まず積み重ねて行くというより、その都度、パッと新たな技を展開して行くという感覚のほうに近い。 例えると、今までの技を修正しながら年輪を広げて大きくなるのでなく、今より大きな輪にサッと乗り移るイメージである。...
鞘の内
いろいろ調べてみると「刀を抜かずして敵を制することが鞘の内である」とあります。 しかし、福井虎雄(聖山)先生は、稽古中に幾度か「鞘離れの瞬時に敵を制すること、これ居合道の極意であり、鞘の内という」と言われました。 居合道は、抜き付けも打ち下ろしも常に瞬時の技ですからうなずけ...
自己探求
居合を稽古する目的は、正しい技の追求を通して、自己を探求することです。 健康やその他の目的は副次的なものです。 探求するべき自己は、余計な観念を取り除けば、既にいずれかに存在しているものなので、改めて探すものではありません。...
時間の方向
時間の方向 お正月が来月からやって来ると、今月が昨年になるように、時は過去に向かって流れているというのが、古来の感覚であったと昔、某大家から聞いた。 現代人にはなかなか馴染みにくいが、この感覚が腑に落ちた時、言葉にはならない居合での景色が変わるのを実感する。...
伝承
誰かに技を伝えるためには、形の実演と、言葉を用いる二つの方法があります。 実技を見せるにはそれなりの技量が要りますが、言葉による表現のほうが容易です。 言葉で表現することは、誰かへ伝えるためだけでなく、自分を律することにもつながります。...
基本
習い事などで、「先ずは、基本を身に付けることが大切です」のように言われることがあります。 ですが、居合でいう「基本」は、稽古のステップとして、初心の時に習得するものという意味合いではなく、技の基底、根底をなす大本が存在する、むしろ高度な場所のことを指します。...
無心
居合には、無心になれという古来からの教えがあります。 「今、やっている技のことだけを考える」「技をやっている自分のことだけを考える」。 どちらの場合でも、そのことだけに集中し、他のことが何も頭に浮かばないという点で、集中は出来ています。...