大血振り
大血振りは、順刀その一や正座の部の中で行われる血振りである。 これは、四指を開きつつ、手元を前方に出す心持で、打ち下ろした剣先の高さで右に回して、指先を横鬢に運び、そこから右下方に振り下す血振りである。 血振った姿は中腰であり、両つま先は45度位に開く。その時の左右の膝の間...
横血振り
「居技の場合」 打ち下ろした位置から布を裂くように一尺(約30センチ)右に開く。 鍔は膝の線、拳は膝の高さとし、刀身が概ね真っすぐ前方に向いている。 「立技の場合」 右真横に衣を裂くように開く。真横とは、打下ろした拳の位置が前後しないように真右に開くこと。...
顔
顔は敵に向けますが、斜め前え後ろ、左右の横、後ろの敵に向けるとき、顔だけ先に向けるのではなく、つま先とおへそと一緒に向けるようにします。 その時、目だけ動かすのではなくしっかりと敵に顔を向けます。即ち鼻筋を通して敵を見ます。...
伝承その2
技を正しく伝え残すには、技と同時に考え方を折々に話していくことが必要。 先ず言葉と共にやって見せ、真似してもらい、基礎が定着するまでは、それを「言葉」と「動作」で文字通りの手取り足取りやる。 後から指導方法を教えることは難しいので、技を教え時は、常々それが伝わるように努めた...
居合の本義
居合は座位あるいは歩行時等における敵の不意打ちに応じ、瞬時の技を以って敵を制する武術である。ゆえに技を芸術的観点から見ると、居合発祥の原点から離れてしまう感じがする。 また、居合の技は敵との関係性から出るものであるから、修練の主眼を先ずは攻防の効課効率に置きたい。...
宗家訓
(宗家訓) 「当流の居合を学ばんとする者は、古来より伝承せられ、 以って今日に及ぶ当流の形に聊かも私見を加うることなく、 先師の残された形を毫末も改変することなく、正しく後人に伝うるの 強き信念を以って錬磨せられんことを切望する。 剣は心なり。心正しければ剣正し。...
新しい展開
居合技の稽古は芸術作品を作るのと違って、一つ一つ弛まず積み重ねて行くというより、その都度、パッと新たな技を展開して行くという感覚のほうに近い。 例えると、今までの技を修正しながら年輪を広げて大きくなるのでなく、今より大きな輪にサッと乗り移るイメージである。...
鞘の内
いろいろ調べてみると「刀を抜かずして敵を制することが鞘の内である」とあります。 しかし、福井虎雄(聖山)先生は、稽古中に幾度か「鞘離れの瞬時に敵を制すること、これ居合道の極意であり、鞘の内という」と言われました。 居合道は、抜き付けも打ち下ろしも常に瞬時の技ですからうなずけ...
自己探求
居合を稽古する目的は、正しい技の追求を通して、自己を探求することです。 健康やその他の目的は副次的なものです。 探求するべき自己は、余計な観念を取り除けば、既にいずれかに存在しているものなので、改めて探すものではありません。...
時間の方向
時間の方向 お正月が来月からやって来ると、今月が昨年になるように、時は過去に向かって流れているというのが、古来の感覚であったと昔、某大家から聞いた。 現代人にはなかなか馴染みにくいが、この感覚が腑に落ちた時、言葉にはならない居合での景色が変わるのを実感する。...