仮想敵について
居合道では、剣道のように実際に相手がいるわけではなく、仮想の敵を想定して技を行います。しかし、実物の敵がいないからといって、自由気ままな形だけのものでは技とは言えません。そして、技を観る方にも敵の存在を感じさせるようなものでなければなりません。そうするためには、演武者の意識...


五戸先生 祝「伊達政宗賞」受賞
高円宮妃殿下のご光臨を仰ぎ毎年開催されている「第34回産経国際書展」(東京都美術館)にて、五戸敏昌(光岳)先生が「無事」という文字を出品し、見事に伊達政宗賞を受賞されました。高円宮賞に次いで、内閣総理大臣賞と比肩する栄誉ある受賞とお見受けします。...
検証の心構えについて
技に間と間合いがあるように、検証にも間合いの取り方が大切です。 検証は演武者の距離や安全面に気を配り、進行をスムーズにすることの他、緊張したなかで集中を助けてあげるなど演武者をリードする役目があります。 場の空気と演武者の気分を盛り上げ、観るものと演武するものを一体化させて...
技の進歩
居合で、進歩というと伝統と相反する言葉のように感じます。上達というニュアンスでもなく、あまり具体性がありませんが、「歩みを進める」というと違和感がなくなります。 問題は歩む方向です。 昔、ある居合人が熱心に稽古している方に対して「君の技は古い…」ということを言われました。古...
先ず姿を整える
居合道修業の眼目である「正・速・強・威」の中でも、特に「正」に重きを置き、先ずは正しい形に注意を払っていることが大切なことでして、その他は正しい形に自ずと付いてくると思います。正しい姿勢が大切なことに異論はないのでしょう。...
居合道の味
ハイレベルな技前は雑味がないためサラッとしていて、概してシンプルに見えるものです。 そこには誇張した目立った動作がなく滑らかなので目を凝らしていても印象に残らないほどです。 料理の繊細な味に、舌が試されるように、本当の名人技というのは、技の方が見る眼を選別するものなどで、ど...
初心に帰る
居合道への入門のきっかけは、皆様それぞれ違うと思いますが、私はTV時代劇「鬼一法眼」(若山富三郎主演)に竹刀とは違う魅力を感じ、いつか日本刀を扱ってみたいという思いを抱いたことが始まりでした。 その後、最初に拝見した居合の技が、抱いていた思いと一致し、即納得できたでことが居...
礼式について
先週はスペースの関係から、礼式のみを稽古をし、改めてその奥深さを感じました。 居合道は礼に始まり、礼に終わると言われる、礼を最も重んじる武道です。 それ故に礼式における諸動作は、神殿・対人・刀礼ともに敬意をもってなし、礼儀に適ったものでなければなりません。そして、礼式は清明...
祝・ご昇段
昨日(5月3日)小平市総合体育館において、春季恒例の神州居合道連盟第14回段位審査会が実施されました。 当道場からは、4名が受審され、それぞれが三段位、四段位、五段位、教士に合格されました。誠におめでとうございました。 私が若いころ昇段した際、師匠から「新たに大きな器を得た...
技の伝達について思うこと
昔の剣士は口伝を頼りに学び、その言葉が解る者のみに技が伝承されたのだと聞かされてきた。稽古においては技前についての解説もあまりなく、師匠の形を見るだけの文字通り、稽古(いにしえを考える)を実践するのみであり、実のところ師匠の技を受け継げるのは、極一握りであったそうだ。...